震災伝承デジタルメディア再生システムの改善

はじめに

 以前、紹介した震災伝承のためのデジタルメディア再生システムの改善に取り組むことになりました。4年生1名が卒業研究の一環として参加してくれることになりました。

 この記事では、現在のシステム構成、主な問題点、改善点をまとめておきます。

システムの機能

 基本的なシステムの機能は次のとおりです。
  • リモコンで、DVD、PDFスライドショー、画像スライドショーを切り替えて表示します。
  • PDFスライドショーは、キーボードとマウスで操作できます。
  • PDF/画像スライドショーは、コンピュータの電源を投入すると自動的に起動します。

システムの構成

 このシステムは、次のような機器で構成されています。
  • DVDプレイヤー、PDF表示用コンピュータ、画像表示用コンピュータ、コンポジット-to-HDMI変換器、HDMIスイッチ、キーボード、マウス、ディスプレイで構成されます。
  • コンピュータ1(中央)には、PDFを操作するためのキーボードとマウスが接続されています。
システムの構成図です。
システム構成

システムの特徴

 主なシステムの特徴は、次の2点です。
  • DVDプレイヤーの出力変換器以外は、すべて研究機材等をリユースしました。これによって、開発から運用までの期間が短縮できました。
  • シングルボードコンピュータを使ったため、比較的コンパクトです。ケース等に納めれば、さらに省スペース化できそうです。

システムの問題点

 主なシステムの問題点は、次の2点です。特に、1番目は、できるだけ解決したい問題です。
  • コンピュータのOSがLinuxのため、電源を切る操作がわからない可能性があります。現在は、電源タップをコンセントから抜いて電源を切ってもらっていますが、組込みシステムでも、この方法は怖いです。
システムを終了する場合は、電源タップをコンセントからぬきます。
電源タップをコンセントから抜いて、電源を切ります。
  • PDFと画像用に同一のコンピュータを2台使っており、はっきり言って無駄です。また、機器が増えるとシステム全体の誤作動や故障の可能性が高くなりますし、配線も増えて机の上が雑然としてしまうので、1台でなんとかしたいです。
システムを机に配置したときの状態です。
システムの設置状態

システム改善の方針

 学生さんと相談して、「誰でも安全に使いやすく」という方針のもと、次のように改善を進めていくことにしました。
  • 安全に電源切る方法を調査し、実験で確認します。
  • ソフトウェア的にPDFと画像のスライドショーを切り替えるアプリを開発します。
  • 改善案を実装したシステムを製作し、動作を検証します。
  • 実際に運用してもらい、問題が解消されたことを確認します。

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