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震災伝承デジタルメディア再生システムの改善(2)

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システムの改善 以前掲載した 震災伝承デジタルメディア再生システムの改善 に従って、システムを次のように改善しました。 簡単かつ安全に電源をON/OFFできる 自作アプリでPDF viewerと画像viewerを選択して起動できる 自作アプリはシステム起動時に自動的に実行される 以下、改善内容について説明します。 スイッチによる電源投入  ネットで調べたところ、スイッチを使って電源を入れる方法は簡単に見つかりました。  我々が使っているのはJetson Nano A02ですが、J40ピンヘッダの1番ピンと2番ピンにプッシュスイッチを取り付ければ、PCと同様にプッシュスイッチを押してJetson Nanoを起動させることができます。ACを繋いだだけで起動しないように、ピン7と8はショートしました。 J40 8-pin button header 出典:Jetson Nano User Guide P. 4 電源スイッチを追加したシステム ハードウェアは私が担当しました。ON/OFFの状態がわかりやすいようにLED付きのスイッチを使いました。 PDF viewer/画像viewer選択アプリの実装  アプリは、 ほとんど4年生の学生さんが作ってくれました。 震災伝承が目的のため、シンプルかつ操作しやすい画面構成にしてもらっています。具体的には、クリックしやすいように大きめに作られたPDF viewerボタンと画像viewerボタンが左右に配置されています。また、シャットダウンボタンは、誤操作を防ぐため小さめに作成し、右下に配置してあります。各ボタンには、わかりやすいようにコンテンツ名やタイトルが記載されています。 制作したアプリ PDF viewerボタン(左)、画像viewerボタン(右)、シャットダウンボタン(右下)が配置されています  コンテンツにはセンシティブな画像が含まれるため、学生さんのアイデアで、画像viewerボタンを押しただけではすぐに起動せず、以下のような確認ダイアログの表示を挟むようになっています。 画像viewerボタンを押すと閲覧するかどうか確認するダイアログボックスが表示されます。YesとNoの配置に、学生さんの気遣いが現れています。 電源OFF  Jetson Nanoの動作中にプッシュスイッチを押すと、シャットダウンダイアログが表示されま...

震災伝承デジタルメディア再生システムの改善

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はじめに  以前、紹介した 震災伝承のためのデジタルメディア再生システム の改善に取り組むことになりました。4年生1名が卒業研究の一環として参加してくれることになりました。  この記事では、現在のシステム構成、主な問題点、改善点をまとめておきます。

震災伝承のためのデジタルメディア再生システム

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 東日本大震災から14年になりますが、最近では復旧・復興だけでなく、震災を経験していない世代への伝承の重要性が増してきたように感じます。  私が勤めている石巻専修大学も、「震災伝承みやぎコンソーシアム」に加盟し、県の協力のもと、構内に震災伝承スペースを設け、震災時の様子や大学の対応を紹介しています。(参考記事: MIRAIに向けた震災伝承スペースを新設 ) 震災伝承スペース 大学が残してきた記録も展示  その1つとして、DVD、画像、スライドなどのデジタルメディアによる震災の記録を展示したいという要望を事務の方から頂いたため、簡単ではありますがデジタルメディア再生システムを構築しました。 大学から提供されたDVDプレイヤーと2台のシングルボードコンピュータで、それぞれのメディアを再生し、映像をディスプレイ切替器で選んで表示する省スペースなシステムです。 現在、震災伝承スペースの一角に配置し、試験的に運用していますが、継続的に改善していきたいと思います。学生さんも参加してくれるとうれしいのですが。 デジタルメディアコーナー 左上のコンピュータ2台で画像とスライドを再生し、映像は右上の切替器で選んで表示(リモコン式)

持ち運びも可能なプロトタイピング環境を製作しました

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 シングルボードコンピュータ(SBC)で応用システムを開発するためのポータブルなプロトタイピングシステムを作りました。  CPU, GPU, FPGAそれぞれの実装ができるように、Raspberry Pi 4, Jetson Nano, KV260を各1台搭載しています。 構築したシステム Raspberry Pi、Jetson Nano、KV260の3つのシングルボードコンピュータが搭載されています。 当面の開発予定 非線形xorshift疑似乱数生成システムのFPGA実装による高速化 震災伝承のためのメディアディスプレイシステムの開発 特定の物体を識別するための画像認識システム